第6章 元奴隷の少女と珀鉛病の少年
それを電伝虫越しに察したのか相手は言葉をゆっくり選んだ。
『ロシナンテに代わって、しっかり君を守りたい。
私たちに君のことを守らせてくれないかね?』
シオンはゆっくりとコラソンを見つめた。
コラソンは優しくニッコリと笑ってうなづいた。
「…コラさん。絶対に3ヶ月後に迎えに来て。」
「あぁ、約束だ。」
シオンの頭をしっかり撫でた。
シオンはこの感覚を一生忘れないと心の中で誓うことになるとは思わなかった。
「…よろしくお願いします。」
『ありがとう。シオンくん。
ロシナンテ。彼女の保護の件は文書に送る。
今日明日にでも手配するつもりだ。』
「分かりました。では。」
電伝虫の通信が切れた。