第3章 ドンキホーテファミリー
子ども同士でいる時もシオンはそんなに笑わなかった。
バッファローやベビー5が話しているのをただ大人しく聞いているだけ。
体を動かす遊びをしようと言っても座って2人を見守るだけだった。
「つまんないの〜」
ベビー5に言われたがシオンは静かに「ごめんね」と笑うだけだった。
「あざ、まだあるの?痛い?」
ベビー5が無数にある痣を心配する。
「…これでも消えた方だよ。ファミリーのみんなは優しくしてくれるし2人と遊ぶのも楽しい。」
「じゃあなんで、コラさんといることが多いの?」
「…それは、落ち着くから?」
シオンは自分でも分からなかった。
コラソンといると心が落ち着く。安心する。
いないと不安になる。それだけだから。
「おーい、ご飯ができたぞ。ご飯のG!」
ラオGが遠くから呼ぶ声が響いた。