第1章 1
カメラを回してたスタッフさんが笑いながらオッケーを出して。
俺は、そのまま持ってたぬいぐるみの後頭部にバフっと顔を埋めた。
耳が発火するんじゃないかと思うくらい熱い。
俺は勢いよく立ち上がると、ありったけの声をはって文句をぶつけた。
「もぉぉぉぉ、なんなんだよ、これよぉ!恥ずかしいわっ!なに?この企画誰が持って来たのぉ!?本当に喜ぶのこんなのぉ!?すごい恥ずかしいんだけど!!!」
周りのスタッフさんも、現場について来ていた俺もマネージャーでさえ、ただ笑うだけで、俺の味方をしてくれる人は誰もいなかった。
「もぉぉぉ、やだぁ・・・」
俺は半泣き状態で椅子に崩れた。