第2章 encounter　ｴﾝｶｳﾝﾀｰ

『霉李？』

「そうだよ。これからはそれが君の名前だ」



貴方は名前をくれた



『うん』

「気に入らないかい？」

『...分からない』

「君は少々感情が欠陥しているようだね」

『...だめなこと？』

「いいや、構わない。むしろ好都合だよ」

『そう。』



きっとこの人はわたしのことを利用したいだけなんだろう、なんてことはわかってた。

だけど、それでもいいと思えた。

貴方の為なら。



どこまででもついて行こう。


どこまででも駒でいよう。



この命を貴方に。