第4章 変若水
一難去ってまた一難。
視線は彼女に集中していた。
やがて彼女は自ら口を開いた。
「俺の知り合いが幕府からの命
を頂いたから、俺はその存在を知っている。
簡単なことだろう」
そう言い終わると彼女は彼らを
嘲笑っていた。
「うわっ生意気なやつ」
いきなり小柄な少年にそう言われた。
「フッ…どうとでも言え。」
彼女は少年の挑発すらも
気にも止めていなかった。
「お前の知り合いの名は何だ?」
「秘密事項であいつの事を話すことを
俺は硬く禁じられている
それに知らない方がお前達の為だ。」
そう言った彼女の表情は
一瞬悲しそうな顔をしていたのを
一人の男は見逃さなかった。