第47章 水柱・冨岡義勇
「(沢渡と同じ呼吸を使うが、戦い方は全く違う事は明らか。様子を見るか…)」
「(むう、冨岡はやはり先に動いてこないか。水の呼吸は防御の型とは言うが…ほんとうにその通りだ)」
先走って動かない義勇。やはり慌てない剣士である。杏寿郎は冷静な水柱を前に感心するばかりだ。
二人が対峙する事一分弱。先に動いたのは炎柱だ。動かなければ何も変わらない。
ならばこちらから仕掛けていかねば ——
「炎の呼吸・参ノ型」
上から下へと弧を描くように繰り出された技は【気炎万象】
この型は壱ノ型の【不知火】と同じく、攻撃主体で使用できる物だ。
もとより炎の呼吸は型のどれもが攻撃的な呼吸であるが、その中でも特に攻撃に向いている技だ。
「水の呼吸・参ノ型 —— 流流舞い」
回避技として使用頻度が高い参ノ型を繰り出した義勇は、素早く身を翻し、杏寿郎の攻撃を避けた。
流流舞いは水の流れのように淀みない動きが特徴で、足さばきが重要な技である。
回避と同時に敵の隙を伺いながら攻撃に転じる事も出来る為、水の呼吸の使用者が放つ機会は頻繁だ。
気炎万象を躱した水柱は、流れるような歩法で炎柱との間合いを徐々に詰め、攻撃圏内に入った瞬間に別の型を放つ。
「水の呼吸・肆ノ型 —— 打ち潮」
二つの連続した波が杏寿郎を襲う。これは義勇が特に得意としている型である。
「肆ノ型・盛炎のうねり」
炎柱も同じ肆ノ型を放つが、こちらは回避に使用する事が多い型だ。連撃する水流を打ち消す炎の壁が現れた。
水は炎に弱いのが世のことわりであるが、柱が使用する剣技に至ってはその常識があてはまらない事も多い。
「(力が強い…流石は煉獄だな。では ——」
義勇は参ノ型と陸の型を合わせ技にした【ねじれ流流】を、放った。炭治郎が鼓屋敷の任務で使用した応用である。
ねじれた渦を出しながら、流流舞いの歩法で杏寿郎に向かっていく様子は渦潮そのものだ。