第6章 新しい恋(二口堅治)
香澄side
わたし、菊川香澄は、二口くんが好き。
でも彼は、中学校のときから好きな女の子がいる。
(切ないな~。。。)
窓側の1番後ろの席から、3席ほど離れた斜め前にいる彼を見つめる
ちょうど授業も終わりかけで集中が切れた
好きな人を見ると、やっぱり好きだな、と改めて感じる
(わたしもたいがい、重症だ)
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、先生が「授業はここまでにします」と終わりの号令をするよう学級委員に伝える
「「ありがとうございました~」」
「香澄~ごはんしよ~」
「いいよ~」
いつも通りお昼ご飯のため、準備をしはじめると、二口くんが友達と話してる声が聞こえた
正しくは、耳を立てた
「昨日さ、部活オフだったからあいつの学校まで迎えに行って一緒に帰ってたわけよ」
うんうん、と周りの友達は聞いている
「今度、デートに行く約束したんだよね、めっちゃ楽しみ」
うぇーい、と盛り上がる二口くんたち
それとは裏腹に、私の気持ちは落ちていくばかりだ
「はあ、、」
思わずついたため息に、
「なによ、大丈夫?」
と心配そうにこちらを見つめる親友の理沙
「二口くんでしょ、、?」
と小声で確認してくるもう一人の親友、葉月
「うん、、」
「つらいよね~、、好きな人がほかの子とデートなんて、、」
「だよね、、最近二口くんの中学の時のクラスが久しぶりに会おうってなったらしくて、それで急接近したみたい」
自分のことのようにズーン、と落ち込んでくれる二人をみて、思わずぷっと笑ってしまう
「私のことなのに、二人が落ち込んでどうするのよ~」
笑う私を見て、二人も笑ってくれる
「まあ、香澄には私たちがいるから!大丈夫!」
「そうそう!
てか、今日のHRの遠足決めだよね!?一緒の班になろうね!」
「そうじゃん!遠足たのしみ~!どこ行くのかな~!」
と話はそれて、遠足の話で盛り上がってお昼休みを過ごした