第17章 名前も知らない彼(ホークス)
香澄side
私の頭の中はやばい、で埋め尽くされ、目の端に写っている彼は動かない
しばらく2人を沈黙が包み、ようやく口を開いたのは彼だった
「、香澄さん、、」
「、は、はい、、っ、!」
ズル、とわたしの中から彼が引き抜かれ、腕を引っ張られ起こされた
ベッドの布団を私に被せる彼
「全部終わったら、、話したいことがあるって言いましたよね」
「う、うん、」
そこでやっとベッドの上で向き合って座る彼の顔を見ると、とても真剣な顔をしていて、少し身構える
「、あの、、俺、香澄さんのこと好きでした」
「でした、、?」
過去を表す言葉に、ダメだったのか、と気持ちが沈む
「今は、、あなたが他の男に少し肌を多く見せるだけで、、
自分を見失うほど、、あなたのことが大好きです、」
「ホー、クス、、」
「もう一度、香澄さんの気持ち、、教えてください、」
こちらに手を伸ばし、私の頬をすっと撫でる彼の手はとても暖かい
「ホークス、、私、
名前も知らないけれど、ずっと前から、、
覚えていないくらい前から、、好き、」
ホークスの手に、自分の手を重ねて、彼の目を見ながらちゃんと伝えると、彼は目を細めて、とても幸せそうに笑って、私を引き寄せた
「俺も、好いとうよ、、
俺と、付き合ってくれると、??」
耳元で響く心地よい低い声に、少し心がむず痒く感じながら
「もちろん、!」
と彼を抱きしめ返した
「香澄さん、俺の名前、」
・・・
「すごく、、いい名前、
ありがとう、、」
お互いのおでこを合わせて、笑い合う
そのあとどちらからともなく口を寄せ合い、今までで一番幸せな夜を過ごした
fin.