第13章 大人だけのお祭り(相澤消太)
香澄side
消太さんと付き合うことになって、3ヶ月ほどが経った
付き合って1ヶ月くらいのときに、ヴィランが襲撃してきて、消太さんは全身包帯に包まれるほどの大怪我をした
「ほんっと、、あの時は私生きた心地がしませんでした、、」
「いつまでこの話を引きずるつもりだ」
隣でお酒を慎む彼は、またか、と少し呆れた目でこちらを見る
「だ、だって、!!」
生徒を思う気持ちは誰よりも強い彼のことだから、行動の理由も分からない訳では無い
(でも、、愛してる人がそうなったら、、誰だってこんなんなっちゃうもん、、)
むぅ、と顔を膨らませ、お酒をグイッと一気に飲む
「香澄、少し飲み過ぎだ、」
そう言って、彼は私の目の前にあったお酒のグラスを自分の方へと避ける
「まだまだ、飲めますよぉ〜だっ、!」
取り返そうとするも、「だめだ」といって個性を発動し威嚇してくる彼
どうしたものか、と考えながらも、彼だって私のことを好きなことはわかっている
彼の太ももにそっと手を置いて
「家で、。飲み直しましょ、?」
と上目遣いで言う
「っ、、おまえ、、」
彼は私のことを睨んで、大将にお会計を頼みお金を払った
「いくぞ」
ぽわぽわと暖かくなってきた体の私の手を繋いで、帰路に着く
「しょーたさん、」
「なんだ」
「一緒に、歩くの、久しぶりですね、、」
「そうだな、」
新しいクラスでの仕事やヴィランの襲撃、怪我など色々なことが重なり、職場は同じなはずなのに顔を合わせることはほとんどなかった
(ケガって聞いたときは、飛んでいっちゃったけどね、、)
あの時は「リカバリーガールが大袈裟に包帯を巻いただけだ」とか言ってたけど、聞いた話だと相当危なかったらしい
「今日、ウチに泊まります、よね、?」
仕事終わりに飲みに行っただけだとしても、久しぶりに一緒に入れることに期待を込めて、横を歩く彼を見上げる
チラ、と彼はこちらをみるとしばらく考え、
「、、あぁ、」
と少し恥ずかしそうに答えた
「やった〜!」
繋がれた手をブンブンと振り回すと、迷惑そうにしながらも、ちゃんと付き合ってくれる
(まだ一緒にいれる、!)