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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第37章 漆黒の葬列 後編



けれど彼女がそれを直接渡すことが出来ないのだと、危険さ故に逃亡を諦めて死を受け入れる発言をするものだから、そこから伺える強大な闇が間近に迫った危機に新一の顔から血の気が引いていく。けれど緊急事態に激しく動揺しながら、それでも、



コナン「そ、それでも、自己犠牲で薬の情報だけ渡されて、はいサヨナラなんて嫌に決まってんだろ!!」

灰原【……そりゃあ私だって嫌よ、貴方と貴方の家族への償いも、お姉ちゃんを殺された報復も、何も出来てないまま死ぬのは】

コナン「だったらまだ諦めんなよ……!隠れる場所ならオレが、姉さん達と何とかするから!確かにオレは、オレらじゃ解毒薬を作れないのもあるけど……。それよりもそんな事は関係なくて、博士と普通の生活を続けてほしいと思って……!第一、お前に『人殺し』って言っちまったのも、今日忠告を無視して振り回したのもまだ謝れてねーのに……なのにこんな所で、絶対見殺しになんてしねぇ!」

「「!!」」

灰原【!!江戸川くん……】



必死に無線越しに怒鳴って志保ちゃんを説得する新一の力強い叫び声は、拙く思ってる事を口するに連れて次第に懇願に変わっていく。生きててほしい、諦めるな、殺されるな。原作で描写が無かったとは言え『人殺し』発言の撤回がまだだった事には驚きだったが、『脱出させてやる』なんて俺様風なコメントでドヤ顔を披露するのではなく、人間味のある心境の変化が見れた事が堪らなく安堵した。しかし感動出来たのも束の間、白乾児を飲んだという彼女に変化が訪れる。



灰原【そう……そこまで言われちゃ、私、簡単に死ねないわよね……はぁ……っはぁ……っ】

コナン「あ、当たり前だろ……だからネガティブになるな!すぐに酒蔵を出て、」

灰原【ぐうっ?!ガハッ……あ゛あ゛あ゛ぁ!!】

椎奈「哀ちゃん?!」

博士「哀くん?!」

コナン「は、灰原?!どうしたんだ!!はいば、」

ガタガタガタッ……プツッ……



突然尋常じゃなく苦しみ出した彼女が痛みに喘ぎ、落ちたり打つけたりの激しい雑音の後は電話が切れしまった。新一は一瞬呆然と通話が途切れた通信機を見つめていたが、急いでドアノブに手を掛けて車を出る私に気づいてハッとした。



コナン「姉さん!」

椎奈「コナンは博士と車にいなさい、あの子は私が必ず見つけて連れ帰る!」
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