第4章 手を引かれる
「まだ伝えるつもりは無かったんですが…しかもこんな形で。でも我慢出来ませんでした、あなたに触れたくて」
七海君の真っ直ぐな視線が。真っ直ぐな言葉が。私の心にスッと滑らかに入ってくる。
誰かにこんな事を言われたのは初めてだった。
私を好きだと言う言葉も。こんなに真っ直ぐ私を見つめる瞳も。
それも…自分自身も気になっている相手に…。
嬉しくないわけがなかった。胸が高鳴りおかしくなりそうなほどに。
ただ、照れくさそうに瞳を細めるあなたのことを…
どうしようもなく…
もっと見ていたいと。素直にそう思った。