第2章 遊び人の本気[前原陽斗]
✴
春。
椚ヶ丘を卒業し、新しい生活が今日から始まった。
みんなと離れたら急に弱くなった気分だよ。
「あーあ、俺もう不安だよ」
『あれ…?ひろくん?』
女子生徒に呼ばれて振り返る
「え、✴✴?」
小さい頃から一緒だった✴✴がいた。
中学は違ったけど。
ていうかいろいろ成長しすぎてね?
『うん。久しぶり。
ひろくんもこの高校なんだね。』
「お、あぁ。」
『これからまたよろしくね?』
✴
くそっ!何だあれ!
会わないうちに可愛くなりすぎだろ!?
昼休みに俺は✴✴を思い出しながら校庭に出て昼飯を食っていた。
「はぁー。授業も集中できねーし。」
頭を悩ませていると、
『…ぁっ……っ…め』
「…んだこの声?」
裏庭か?
興味本位で覗く。