第14章 再会
彼はそれからアパートの前まで車で私を送り届け、部屋の前まで来ると立ち止まった。
中に入れてもらえないかといったような雰囲気になる。
男の人を部屋の中に入れる――。
なんだろこの不安な気持ちは。
不信感があるわけではないけれど、どういうわけか心が警戒を解かない。
五条先生がやって来たときはすぐに同居を決めて、いきなり同じベッドで眠ったのに……。
こうやってまた比べてしまっている。
「ちょっと片付けてきます。散らかってるので」
さっとアパートの鍵を出した。この場から逃げたくて。
鍵につけた五条悟マスコットがゆらゆらと揺れる。五条先生がゲーセンで取ってくれた景品だ。
「これは、なんだい」
オーナーがそのマスコットを指差した。じいっと凝視している。
「ああ、私、実はアニメ好きなところがあって。呪術廻戦にハマってて。ジャンプの」
「ジャンプ……」
「少年漫画の」
「知らないな」
ジャンプを知らない? そんな男の人いるんだろうか。
お坊ちゃん教育でアニメや漫画に触れさせてもらえなかったとか?
首を傾げていると、オーナーは"海外での生活が長くてあまりこの国に詳しくない"と慌てたように答えた。