第6章 デートの練習
そんな私の様子が気になったのか再び先生がこちらを向いた。薄茶色のカラーレンズの奥の空色の瞳が少しだけ揺れているような気がした。
「離れづらくなるじゃん? 僕が元の世界に戻ったらさみしくならない? それは僕にも言えることだけど」
「さみしい……か」
一呼吸おいて「そうだね」と付け足した。五条先生にしては珍しく真面目な口ぶりだった。
正直、これまでさみしいという感情を五条先生との間に想像した事はなかった。
五条先生は突然やってきて、私の日常に入り込んだけど、それはイベント発生的なもので、彼が呪術廻戦の世界に戻ればまた私は通常の生活に戻るだけだ。
月曜の0時になれば最新の呪術廻戦が読めて、私はこれまでと同様にジャンプのアプリを開き、五条先生の事は推しキャラのひとりとして応援していくのだろう。だからさみしいなんて思うはずないって。
でもなんだろう、この胸が削られるような気持ちは……。