第3章 黄色天国
「は、作戦会議してねぇ?」
「うん、でもかわりに友達が3人もできた」
らしくもなくVサインを作り、前代未聞の報告をしてきた友人に、海堂は思わず口をあんぐりと開けてしまった。
それもそのはずだ。あれだけ自分以外とは最低限の接触を心がけてきた栗原が、そもそも他クラスで昼食を食べることすら意外だったのに、ほんのり嫌悪感を示していた相手と友人になったというのだから。
「早苗ちゃんがね」
「早苗ちゃん?」
「ああ、五十嵐さんのこと。今までの対応嫌だったよねって声かけてくれたんだ。それから井田っちもすごく良いヤツで、桃城、くんもいざというとき頼りになるなぁって」
五十嵐と言えば、栗原が1ミリもやる気のない生徒会選挙活動に協力したいと申し出てきたヤツだという認識。てっきり目の敵にでもしているのかと海堂は考えていた。
加えて、桃城とも仲良くなったとは思わなかったようだ。