第2章 季節が変えるのは
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巌勝の手から血が出ている事に気が付き、志津は「巌勝さん手から血が!もういいじゃありませんかあの子はもう嫁ぐのですよ?」と言った
巌勝「煩い。黙れ!!」
志津「黙りません、貴方の妻は私です!待ってください巌勝さんっ…」
巌勝は志津を怒鳴り散らし私室に篭ってしまったのだった。まゆに貰った組紐や揃いの小物等、まゆとの思い出が沢山詰まった小箱を抱き締めて呟く
巌勝「まゆ…アノ日、無理にでも連れ去るべきだった…」
巌勝の心は後悔と、まゆの夫になるであろう名も知らぬ男への嫉妬で満ちている。その日、小箱を腕に抱き締めたまま机に身体を預け眠りについた
まゆは継国家から帰ると直ぐに仕度を整えた。何時もは道着の袴姿だが、今はザッ・侍の格好(兄達のお下がり)をして『なるべく女子だとバレないようにしよう大作戦』である
まゆ「どうかな…?」
しっかり羽織まで着込み、腰に日輪刀を差したまゆが照れ臭そうに兄達の前に姿を現した
隼人「うむ、似合うな!」
旬「男に見えなくも無いか…」
司「こういう男居るから心配すんな」
孝之「男色の男に攫われないか?」
竜「可愛いだけじゃねーか!体型は隠せてもその可愛い顔は隠せねぇんだよなぁ」
茂「お前等全力で護れよ?」
まゆは「大丈夫だもん!」とほっぺたを膨らませるが、それがまた愛らしかった
隼人「鬼を切るのは問題ない故に受かるだろうが、狼が心配だな!ハッハッハ」
実は、隼人が単独任務の時にちょこちょこまゆを連れ出し鬼を斬らせていた。その数は二十体を超えている
選別でいきなり鬼と戦うよりも、ある程度慣れておいた方が良いだろうと考えたのだ。兄達の心配は、あくまでも男と云う名の狼である
まゆ「それでは行ってまいります」
隼人「鬼殺隊で待ってるからな!」
旬「塩と串と火打石は持ったか?」
茂「行ってこい。応援しとるでな」
孝之・竜・司・「死ぬなよ!!」
まゆは「はい!」と元気に返事をた。『侍として生きる』と決意を新たにし、御影家の門を出て行ったのだった
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