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【鬼滅の刃】屋烏之愛【新装版】

第14章 進物・番外編 義勇誕生日記念【※冨岡義勇】





あの激しさでやられたら、もう身体が持たない。いや、今度こそ心臓がドキドキし過ぎで、止まるかもしれない。

「暫しの休憩を、望みますっ!!」

陽華はそう叫ぶと、拘束されながらも手足をぱたつかせる。しかし、ふと思い直すと、静かになり、義勇に顔を向けた。

「…でも、今日が過ぎたら、また数ヶ月くらい会えなくなっちゃいますよね?それはやっぱり、寂しいです。……だから私も、もう少し義勇さんの温もりを感じてたいです。」

陽華が、義勇の身体に静かに抱きついた。その姿に胸が締め付けられる。

確かに今日が過ぎてしまえば、またお互いの担当区域に帰って、任務に励むことになる。会えるのは合同任務に着いた時か、休みが被った時だけ。だがそれもまた一瞬の事……、

(もしも俺が、陽華と一緒にいられることが出来るとしたら……、)

その方法は一つだけ。それを陽華が受け入れてくれるなら…の話だが。

義勇は気持ちを固めると、抱きつく陽華の身体を優しく抱きしめた。

「陽華、狭霧山での俺の言葉、覚えているか?俺はいつでも、お前を受け入れる準備が出来ていると言った。……これの、答えを聞かせてほしい。」

「義勇さん……、」

陽華は考えるように、黙り込んだ。

昼間も言ってくれたけど、冗談か将来的な話だと思っていた。まさか今すぐに求められる答えだと、予想していなかった分、驚きが隠せない。

(…義勇さんのお嫁さんに?そんなの…答えは決まってますっ!)

大好きな人のお嫁さんになれるなんて、女の子にとって、こんなに嬉しくて幸せなことなんて他にない。



そう思うのに……だけど…………、



陽華は身体を起こすと、義勇の顔を見つめた。

「ごめんなさい、義勇さん。すっごく嬉しくて、泣きそうなくらいで嬉しくて、本当は今すぐでも義勇さんの胸の中に飛び込みたいです!……でもやっぱり、私はまだ鬼殺隊員を続けたいです。」

「陽華……、」






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