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夢繰り屋 凛 第七章 『後編』

第8章 夢の後。


「…え??」

マジですか??

「何、ビックリしてんねん。」

そりゃ、ビックリするよ!!
ご飯行くって…デートやん!!

「う…うん。行く!!」

嬉しそうな私の声に、浩二君は、
前を向いて…一言。

「ちょうど電車やし。」

ん?…それって…。

「お前、トロいねん。ほら。」

一歩前を歩いていた浩二君。
前を向いたままで、後ろに手を差し出した。

ドキドキしながら、私は差し出された手を
ぎゅう~っと握りしめた。

「痛いわ。」

笑いながら、浩二君も強く握り返してきた。

「痛い、痛い~。」

こんな時間も愛おしくて堪らない。

ねえ…浩二君。
謎が解けたんやけど。

ご飯を誘ってくれるつもりで、
…わざわざ電車にしたんだよね?

今日のこの後、デートするつもりで、
…電車にしたんだよね?

…ホントのトコは、聞かへんけどね。

違うって言われたら、それはそれで
凹みそうやから…。

「凛。今度、遊園地行こか。」
 
私は、浩二君から一歩下がって、
手を繋いだまま、

「…二人で?」

小さくつぶやいた。
風に乗って、浩二君の匂いがする。

「おう。二人で。」

歩みを止めて振り向いた浩二君は、
優しく微笑んだ。



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