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夢繰り屋 凛 第七章 『後編』

第6章 コスプレ。


「お姉ちゃん!!『ハート』だったの?
 お兄ちゃんは、『ナイト』!!
 だから、舞の事助けにきてくれたのね。」」

舞ちゃんは、満面の笑顔で興奮気味に叫んでいた…。

ショックからか、何も言えず立ち尽くす浩二君。
私は…何とか、渾身の作り笑顔を舞ちゃんに見せながら

「助けに来たよ。…早よ…出よ。
 …ってか…た…立ち直れん…。」

舞ちゃんと合流してからは、目も当てられない
光景だった…。

先頭に、蒼い顔の『ナイト』姿の浩二君、
間にこぼれそうな笑顔の舞ちゃん。
後ろに、赤い顔の『ハート』姿の私…。

み…短かっ…スカート…短かっ…。
寒っ…胸元…寒っ…。

何で…お化け屋敷でコスプレ…。

あんなに怖かったお化け達…。
迫りくるお化けまで、私達の格好に
ドン引きしてるように見えてくる…。

え?うらめしや?
あの…放っといてもらえます…?
いや…マジで…。

恐怖なんてどこへやら…。
出口付近で、舞ちゃんのお兄ちゃんが、
泣きそうな顔で、オロオロしていた。

お兄ちゃんの姿を見つけ、駆けて行こうとした
舞ちゃんを、浩二君が呼び止めた。

「舞ちゃん。俺たちの正体は…。
 絶対に、誰にも言うたらあかんで。
 悪者にバレたらあかんから…。
 ほんまに、言うたらあかんで…お願いやから…。」

…口止め!!それは口止めなのね!!
被害を最小限に留めたいもんね!!
解ります!!その気持ち!!

その証拠に、浩二君の目は笑っていなかったもん。

舞ちゃんは、大きくうなずき、
笑顔でお兄ちゃんの元へ駆けて行った。

お兄ちゃんも舞ちゃんに気づき、
満面の笑顔になっていた。

良かった、良かった!!
一件落着!!

もういいですよね!?
早く…帰して下さい!!

とりあえず…服、戻して下さい~!!







 
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