第6章 兄貴の現在
兄ちゃんは普段俺達が話しかけない限り、得意のアクセサリーを作ったり、新聞を読んだり、飛天達の後始末をしたりして、学校に通わずに家で過ごしていた。一度、学校に行かないのか?って聞いたら、家が貧乏で通えないから職人の道を選んだって言ってた。中学校にも通えないってどんだけ貧乏なんだ?
帝月とは違う感じがするんだよな、鉄矢兄ちゃん。人間だったけど。なんか浮き世離れしているみたいな?野球も携帯電話も知らなかったし、記憶喪失にしては酷すぎるんじゃないかって思ったけどな。それでも、兄ちゃんはいいやつだから俺も飛天達も兄ちゃんを頼りにしたり時々協力していた。
あの玉藻を見捨てるような、俺達の町を消し去ろうとした八雲から早く鉄矢兄ちゃんと帝月を助け出すんだ!
待っててくれよ!
完