第4章 元親友の嫁?
しっかし、アイツは天馬と変わらない年頃の癖に百年前ちょっとの事にやけに詳しいんだよな。特に明治初期。この間なんか、天馬が社会のテストで困ってやがったんだか、鉄矢が黙々と丸で見てきたかのように生活習慣といった細かい所まで説明して手助けしやがったもんで、次の日天馬にしては珍しく社会は満点だった。
普段は無口なくせに、必要最低限なことはためらいなく話せてるんだよな。装飾品だけでなく、帝月についで妖怪や日本の神話に詳しいし。知り合いに教えてもらったとか言っていたが。俺達がなんの妖怪なのか、名前だけで理解していたからな。何故か嬉しそうだったが。
長生きした俺からして、詳しすぎる所が気になったが鉄矢は人間だった。帝月は何か気が付いていたのか、いつも通りだったけどな。帝月とは別件で謎の多い奴だ。悪いやつじゃないけどよ。
アイツは無事だろうか、帝月も八雲に拐われて無事でいるといいんだがな。天馬と共に、俺達は二人を助け出しに出雲に向かっている訳だが。
「遅っせーぞ!飛天!」
「うっせーぞ天馬!」
待ってろよ、鉄矢。この飛天夜叉王が助けてやるからな!
完