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【あやかし天馬】ラジオミキサー

第3章 仮面同盟の嫁


兆星一の美貌を誇る九尾の狐こと、玉藻です。あのいけすかない八俣の大蛇が人間の嫁を娶ったと信じだかい知らせを受けましたのでね、同盟を結んだらついでに弱味になるかもしれないと出雲に鎌鼬達と見たことがあるのです。

そうしたら、とても香ばしい懐かしい匂いがしたので誘われてみましたら、屋外に通じる場所で彼の嫁(稚児趣味らしい同性の人間でした)が鼠を天婦羅にして茹でている最中ではありませんか。
我々狐にとって大好物の油揚げを遥かにゆく伝説となって現代では作られることがなくなった鼠の天婦羅を、久しぶりに見つけることが出来て私はとても感動しましたよ。

鎌鼬達ももじもじと匂いにつられているところを、八俣の大蛇の配下が小刀を投げ付けて駆けつけたのでかわした次いでに訪ねたのです。

「鉄矢様は八雲様の為に、月に一度鼠の天婦羅をお作りになられるのだ」

聞けば、蛇の頂点たる夫の好物を昔に聞いた漁師の祖父の天婦羅として八俣の大蛇に食べさせたところ、いたく感動して以来の楽しみとなっているそうです。鼠も人里に住むようなものではなく、眷属にお裾分けを作るのを約束に山奥から捕らえてくるよう鉄矢から頼んでいるとか。

全く!八俣の大蛇の分際で伝説の品物を味わえるだなんて!この私玉藻が妖の頂点に君臨した際は、貴様の嫁を私達の料理人にして差し上げますよ!
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