第7章 足枷
「…これ、君の?」
「え…」
ベンチに腰掛け夜風にあたっていたところだった
目の前に髪飾りを差し出された
この人は…
プリンセスと寄り添ってた綺麗な男性…
「さっき…落としたよね」
「そう…私の、です…ありがとうございます」
髪飾りを受け取り
私はとても動揺していた
間近で見るその人は…
ビスクドールのように美しかった
「君が…シュタインへ行く時、プリンセスの護衛をしたんだよね?」
その人はさり気ない動作で隣りに腰掛けた
「はいっ…護衛させて頂きました」
「プリンセスを護ってくれて…ありがとう」
あ……
今、少しだけ笑った…かも
「あの……貴方は…?」
「ルイ…ルイ=ハワード」
やっぱり…
この人がルイ=ハワード……
「ルイ様…申し遅れました私っ」
「クロエでしょ…知ってる」
「ぇ…何故…」
「プリンセスが良く君の話をするんだ…君の事、強くて、綺麗で…羨ましいって言ってた…
仲良くなりたいって…」
「そんな事を…」
私はプリンセスの幸せを
ゼノ様の為に壊そうとしているのに…
私は動揺を隠すよう
髪飾りを付けようとした
夜風で髪が絡まり上手く付けれない…
「貸して…」
ルイ様は私の手から髪飾りを取り上げた
「ぁ…」
ルイ様の手が髪に触れ顔が間近に迫った
キス…
するみたい…
手ぐしで解かれ
ルイ様は私の髪を一束掬うと綺麗な顔に寄せ
鼻に近づけた
「良い香り…ラベンダー…?」
そうだ
アランと行ったラベンダー畑…