第17章 ９. 同じ志持つ者達

しのぶの問いに頭を悩ます絢蘭より先に無一郎が口を開いた。


無「僕自身の事はあまり覚えていないんですが、はっきり覚えているのは、初めて鬼に遭遇した時鬼が数体囲むように現れました。その時、初めて体がすくみ変に力んだ記憶があります。たぶんあれを恐怖というのですね。でも絢蘭はそんな素振りを見せず躊躇なく鬼共を切りつけていきました。その時改めて力差を感じ早く隣立てるよう努力する事を誓いました。その後は絢蘭について行き、励ませられながら鬼を斬っていったと思います。流石に最後の鬼は、僕が一緒に戦うと邪魔になると負ったので、近くの怪我人と離れ見守っていました。やっぱり絢蘭は凄いです。一応死者なしを目指さしていましたが、本当に達成するとは思いませんでした。他の人の指揮を取ったり、時には優しく時には厳しく放った言動は妹ながらカッコよかったです。」


無一郎の変化というより絢蘭の自慢話になり絢蘭の顔は真っ赤だ。


　『そ、そんなことないよ。むいだって男の人に言い返されそうになったとき、かばってくれたじゃん。むいだってどんんどん鬼をきりまくってカッコよかったよ。それにむいがいっしょにいてくれたから死ぬ人がでなかったんだよ。』


もうお互いの自慢暴露大会になり始め、しのぶは困った顔をした。
しかし実弥は”男の人に言い返された”という言葉過剰に反応し、額に青筋を浮き上がったが無一郎の助けが入ったことを聞くと青筋は沈んだ。
だがまだどこか不満げではあるが。


　『そういえば、最後の鬼をきった時鬼の過去が見えたよ。だからと言ってどうじょうはするかもだけど、なさけはかけないよ。それで鬼が完全に消えたしゅんかんにある兄妹えいぞうがいっしゅん流れてきたの。最初鬼のが殺した誰かかと思ったけど、なんとなくちがうように感じて多分未来の事だったおもう。』

し「なぜ未来だと思ったんですか？」

　『だって服そうが今と同じだったし、体つきもまだ備わっていない。それに一緒にいた妹の様子がおかしかったの。いっしゅんしか見えなかったけど、口元に竹を加えていたの。
おかしいでしょ？どうやらこれから行く手の所に向かうみたいだったけど…』


”口元に竹”という言葉出た瞬間義勇はビックとし、内心焦った。