第1章 プロローグ
「おい、イモ子」
机の上から見下されています。
彼は、私をイモ子と呼ぶ。
理由は、イモっぽいから。
因みに、私の名前は皿田キノ子です。
「なんですか」
「ちょお、背中痒い。掻いて」
ん、と向けられたあぐらをかいてる背中。
クイクイと、人差し指(の爪)で優しく掻きます。
「そこや、そこ…やるやん、イモ子の癖に」
「ありがとうございます」
「渋谷すばる様の背中を掻けるなんて幸せもんやで」
そう。
彼は、関ジャニ∞の渋谷すばるさん。
芸能人が私んちに何故居るのかという問題以前に
小さいんです、渋谷さん。
具体的な大きさは知りません。
どうやら、身長に関してはタブーで測らせてくれないのです。
おおまかに言うと
だいたい手首から指先までの大きさです。
「イモ子、飯」
「はいっ!」
机の上。
そこが、渋谷さんの定位置です。