第4章 遭遇
「、、、ふぅ」
さくらは廊下へと続く扉を見て溜息をついた。
そろそろお昼を過ぎるが、爆豪はまだ来ない。
「何かあったのかな、、、」
その時、ガラ!と扉が開いた。
「あっ、勝、、、」
一気に跳ねる鼓動。
しかしそこに入ってきたのは、轟と上鳴だった。
「あ、、、」
「なんだ、残念そうな顔をして」
轟が苦笑する。
「え、なになにー?俺らじゃさくらちゃんの期待に沿えなかった?」
「違いますよ!とんでもない!!」
「はは、冗談だ。そんなことよりもさくら、、、」
「へ?」
「すまなかった!!」「ほんとごめん!!」
轟と上鳴が顔を見合わせたと思うと、2人同時に頭を下げられた。
「えぇっ!あの、ええっ!どうしたんですか!顔を上げてください!」
突然のことに戸惑う。
「俺のせいでそんな怪我をさせた。本当にヒーロー失格だと思ってる」
「俺も真っ先に行くべきだったのに、、、」
2人ともかなりへこんでいるみたいだ。
さくらは笑った。
「私が上鳴さんの指示も聞かず勝手に飛び出して、こうなったんですからお2人のせいじゃないですよ!しかも轟さんなんて、私が心配させてしまったからだし!あ!ほら!包帯だって巻いてるだけで、もうどこも痛くないんですよ?ほら!ほら!ね?」
笑顔でポカポカと頭をたたいて見せると、本気で止められた。
「あ、あの、、、頭より腕が、、、あの肩が、死ぬほど痛いです、、、」
プロヒーロー2人にほぼ羽交い締めにされるさくら。
「あ、悪ぃ!」「うわ!ごめっ!」
謝る2人と目が合って、思わず吹き出した。
「ぷっ、あはは!」
「はは、まったく」「さくらちゃんには敵わねーよ」
笑っているとポンと頭に手を置かれる。
見上げると2人が微笑んでいた。
「さくら、俺達は何があってもお前の味方だ。いつだって頼ってくれ」
「そーだぜ!俺たちはもう仲間なんだから、何かあったらいつでも連絡して!ってか用事なくても連絡くれたらすっ飛んで来るぜ」
「はいっ、ありがとうございます」
勇気を出した結果がこんな風に繋がっていく。
さくらはお茶子に友達と言われたこと、そして2人に仲間だと言われたことをとても嬉しく思った。