第15章 青の日々 (及川徹)
『ピンクのメロンパンなんて購買にあったっけ』
「な、なんか数量限定らしい、よ…っ!」
『そうなんだ。だからあんなに混んでたんだね。』
1口大にちぎって口元に近づけるとパクリと食べてくれた。なんだか餌付けみたいになってるけど何の疑いもなく美味しそうに食べるもんだから若干の罪悪感。
『私ばっかり食べてるんだけど…及川も食べなよ』
メロンパンを持っていた手をちゃんの手が掴んでガッと口元に寄せられる。
「ぅぐ…ッ」
『たべて』
「…っふぁい」
でも、でもでもこれで!一緒に食べるのクリア!恋が叶うおまじない完了〜!!
『おいし?』
「おいひいれす」
置いたあった俺のペットボトルを開けて、何も言わずに差し出す彼女。なにこれ優しすぎて無理なんですけど?
『やっといてごめんだけどそんなに詰め込んで喉詰まらせないでね。』
「俺の天使が優しくて無理。結婚して。」
『しません』
「諦めません」
『どうぞご勝手に』
隣でお弁当を食べ始めた彼女のご飯は俺たちの半分くらいの量しかない。こんなんで午後まで持つなんて…女の子はすごいなぁ。
「ねえちゃんてさ、どんな人がタイプなの?」
ちょっとマッキー!?
怖くて1回も聞いたことないやつ聞くの辞めてくれる!?
『うーん…明るくて前向きな人…とか?』
「それなら及川も当てはまるんじゃね?」
『そうかもね?』
「えっ!なにそれねえ!?」
『ねえ岩泉これ、蓋あかない』
「ん、」
『ありがと』
話題終わるの早くない?ていうかいつも岩ちゃんの事ばっかり頼ってるのなんかやだ!!
「ちょっと及川さんのことも頼ってよ!」
『だって岩泉の方が力ありそう』
「岩ちゃんはゴリラなだけですう!俺だって力あるよ頼ってよぉお!」
「あ?喧嘩売ってんのかクソ川コラ」
『牛乳ぱんたーべよっと。』
「くく…っちゃんのこのマイペースさ俺大好きだわ笑」
「あー!こらマッキー!ちゃんに惚れちゃだめ!」
マッキーをグイグイ引っ張って引き剥がす俺にうるさいとゲンコツを食らわす岩ちゃん。手加減てものを知らないのかなこのゴリラめ!!!