第15章 青の日々 (及川徹)
……あれ。
………あれれれれ??
『岩泉〜みてみて』
「ん?お、髪切ったんか」
『どう』
「いんじゃねえの、似合ってる」
『いえーい』
あっれえ〜???
この前いい感じだったよね?
あれは幻だったのカナ??
好きって伝えたら紅くなっててさ。ちょっといい雰囲気だったよね?もう一押しかな〜くらいに思ってたんですけど岩ちゃんと仲良いね??
「ねえねえ俺も気づいてたよ?ていうか俺の方が先に気づいてた!髪の毛切ってさらに可愛くなったね!」
『及川が気づいてるのは知ってる』
「なら俺にも聞いてよ!なんで岩ちゃんだけなの!」
『だって及川に聞いても可愛いしか言わないじゃん』
「そ…っれはそうですけど…」
『だから岩泉に聞いたんだよ』
「岩ちゃんばっかり!ずるい!!」
『私髪切ったんだけどどう?及川』
…っえ!俺にも聞いてくれた!
やさしい!かわいい!すき!
「…っ!可愛い!すっごい可愛い!前の長い時も大好きだけど今みたいなセミロングも可愛くて大好き!相変わらず髪の毛つやつやで綺麗!」
『ありがとお』
そう言って柔らかく笑う彼女に心臓を撃ち抜かれるみたいな感覚になる。
『え、ちょっと及川どうしたの?』
「や…待って俺今めちゃくちゃニヤけてるから見ないでください…」
『え、今ニヤける要素なかったよね』
「だって笑いかけてくれるとか聞いてない…!いつもみたいに塩対応されると思ってたのに!」
『岩泉』
「ん、及川行くぞ」
「えっ、ちょっとなに!?」
せっかく話してたのに岩ちゃんてば俺の事引きずってどこ連れてくの!?
『ばいばーい』
「えっ、やだやだ!ばいばいやだ!岩ちゃんてば!うわーん!!」
叫ぶ俺を黙れと言わんばかりの形相で睨む岩ちゃんに引きずられてちゃんとの距離が離れていく。良いとこだったのにばか筋肉ー!!!!!