第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
暫くして戻ってきた彼女の隣には付き添いでついて行ったチームメイトがいる。2人とも楽しそうに何かを話しててモヤモヤは大きくなるばかりだ。
「ちゃんありがと。」
2人の会話を割って話しかけてしまうほどに独占欲が湧いてくる。
『ただいま!多分落ちたと思うんだけどどうかな?』
「ほんとだ落ちてる。ごめんね、ありがとう。」
『ううん!落ちてよかった!』
「角名ちょっといい?」
「あ、うん」
付き添いで隣にいたチームメイトが視線を店の外にむけて、俺はそれについていった。
「なに?」
「いや、お前まだのこと好きなのかなって思って」
「あぁそういう。うん、好きだよ。」
こいつにもバレてたんだ。てかこれ多分気づいてないのちゃんだけパターンだな。
「あいつ彼氏いるの聞いてる?」
「うん、妹からきいた。」
「そっか。今高校同じなんだろ?」
「そう、クラス同じで席隣。」
「まじ?運命だろ笑」
「でしょ?だから諦めないよ俺は。今度こそ好きって伝えたい。」
「うん、それが聞きたかった。が付き合うのはお前だと思ってたからさ。ほら、今の彼氏良くないって聞くし…越す前はたまに相談のってたけど泣いてたりしたから心配でさ。」
店内で楽しそうに笑顔を見せる彼女を見つめて心配そうに眉を下げる。
「ちゃんは多分、俺の事なんとも思ってない。ただのチームメイト。プレイヤーとマネージャー。名前呼びだったのに苗字呼びに変わってたし。」
「たしかに。前は倫太郎くんって呼んでたのにな笑 嫌われてんじゃねえの〜?」
「ちょっと冗談でもやめてくれる?メンタルくるから」
「そんなに好きなら中学の時告白すればよかったのになんでしなかったんだよ」
「いや、俺遠距離とか多分耐えられないし。寂しい思いさせたくないし。不安で死ぬ。俺が。」
あんな素敵な女の子を愛知に置いて普通に暮らせるほどメンタル強くない。心配で仕方ない。それこそバレーに身が入らない。