第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
ちゃんが焼いてくれたお好み焼きを同じテーブルの俺と後輩たちに切って取り分けてくれている。
『熱いから気をつけて食べてね』
「ありがとちゃん。ほんと綺麗に焼けてる美味しそう。」
「ありがとうございます!さんが焼いたお好み焼きが1番美味いっす!」
「お、またが焼いてんの?ほんとひっくり返すの好きだよな〜笑」
『最初より上手になったでしょ??』
「うん、なってるなってる。父ちゃんもさっきがひっくり返すとこ見て成長したなあ〜っつってた笑」
『プロに言われると自信ついちゃうなあ笑』
最初来た時はうまく出来なくてここの店主っていうか同級生のお父さんに何度も教えて貰ってた。だから皆ちゃんの成長を知ってるし、綺麗にできると皆で褒めちぎるのが恒例。
「のやつ美味そう!プロじゃーん!」
「こっちのやつと交換してくれよー笑」
『えへへ〜』
これがうちの紅一点の甘やかし方。正確には皆甘やかしてる自覚がない。練習試合で他校の奴らにマネージャーのお姫様扱いが凄いと言われて初めて気づいた。
稲荷崎でもきっとこうなっていくんだろうなって感じはするけど。現に双子を手懐けて北さんからは早くも信頼を勝ち取ってる。
「そういえば角名」
「なに?」
「宮兄弟って生の方がやっぱかっけえ?」
「治たち?まあかっこいいんじゃないの。モテるし」
「もやっぱかっこいいとか思うの?」
うーわ俺の前でそれ聞く?メンタルー…。
『2人とも優しくて賑やかでプレイスタイルもかっこいいよ!』
「へえ、角名とどっちが?」
『えっ?』
「いや、我が愛知の星角名くんも爆モテだったじゃん?てきにはどっちのがかっこいいのかなーって」
「いやいやいいからそういうの!ちゃんに変な事聞かないでよ!」
「でた角名の過保護!久々見たわ笑 で、どっちなの?」
過保護なの俺だけじゃないし!?
『うーん』
「ちょっとほんと無視していいって」
これで双子って答えられたら俺どうしたらいいの?いや、俺って言われても心臓持たないんだけどもさ!?悩んでるよね?悩んでんじゃん!即答で俺って言ってよ!!!?え、俺めんどくさい?ねえほんとに悩んでんじゃんやだああ!