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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)



なんか、なんかいい雰囲気でてない?
これちゃんに彼氏いなかったらもっとガッツリいってたんだけど…考え出すとまた心臓抉られる…。

『もう皆きてるかなあ』

隣を歩く彼女は俺の事なんて全く気にしてない。俺からすれば別に誰も来なくなっていいくらいだし。まあそんなこと無理なんだけど。もう何人か集まってるの遠目でも分かるんだよなあ。

「角名ぁ!まじで来てくれたのかよ!」

「久しぶり、たまには来ようかと」

「もわざわざ戻ってきてくれてありがとな」

『皆に会いたかったから全然だよー!』

「俺も会いたかった!なんか、後輩チームも後から何人か来るみたい。角名が来るっつったらすぐ集まった」

「なんとなくさっき聞いた…けど恥ずかしいからやめて…」

俺たちがこういうとき集まる場所は中学時代から変わらない。チームメイトの中に実家がお好み焼き屋の奴がいて、いつもそこにみんなで集まらせてもらってる。これが結構美味しいから楽しみだったりした。

「あ、角名さんまじでいる!!お久しぶりです!」

「久しぶり、元気だった?」

ガラリと勢いよくあいた扉から長身の男が数人。紛れもなく男バレの後輩たち。

「あ、さんだ!髪伸びましたね!」

「久しぶり!たしかに髪伸びたかも??」

「っすよね、似合ってます!可愛い!」

『ありがとー!皆も少し背伸びてかっこよくなったねえ』

ちょっと目離すとこれ。特に後輩達からの人気が凄かった彼女。面倒見がよくて優しいところがきっと刺さったんだろうね。あと褒め上手だし。

「さんと角名さんって今同じ高校なんですよね!」

「うん、稲荷崎ってところね」

「俺ら試合映像とか結構見てるんすよ!角名さんの体幹のブレなさに磨きかかりすぎてさすがとしか言いようが…」

「褒めなくていいから恥ずかしいし。でもありがと。」

地元を離れても見てくれる後輩がいるって嬉しいもんだな。稲荷崎に行ってからますますバレー1色になった感あるし。俺だってそれなりに頑張ってるつもり。今はちゃんだって見てる。
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