第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
「侑いつまで喋っとるん?もう5分前やけど」
「…ひぃっ」
「ぷふっ」
「角名もやで。」
「…はい」
おーこわ。北さん通常運転すぎるでしょ。
「まあ今日は始める前にマネの仮入に来てる子おるから紹介すんで。さん前出てきてくれるか?」
『あ、はい!2年のです。愛知の高校から転入してきました。中学生から引っ越してくるまでずっと男バレのマネージャーをしていたのでここでも何か皆さんサポートができたらと思ってます。今日は仮入ですがよろしくお願いします!』
「ってことやから、まあ頼りすぎずサポートもしてもらいつつやな。」
―――
「なあなあ、愛知って角名のおったとこやんな?」
休憩時間、1番初めに彼女に話しかけたのは銀だった。こいつは無害そうだからまあ良し。
『そうそう、角名くんと中学同じで部活も一緒だったよ』
「へえ!角名って中学んときはどんなやった!?」
『えーっとすごい優しかった!今もだけどね』
「例えば例えば??」
『スクイズ持ってくれたり、忘れ物ないか会場内確認してたら待っててくれたり一緒に確認してくれたりとか…?』
「ふーーーーーーん」
なっがいふーんだな。
前言撤回こいつ全然無害じゃない。
『今日だって私がまだジャージ持ってないから角名くんが貸してくれたんだよ』
「へーーーーーーーーえ」
なっっがいへえだな!
「角名ちゃんに惚れてるん?」
ばっか!ばかばか!バカかこいつ!?
そのきょとん顔やめろよ!
惚れてるん?っじゃねえよ!
「黙れ!」
「声でか」
『あははっ皆ほんとに面白いね』
「…でかい声出してごめんねちゃん。」
『ううん笑』