第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
「席はどないしよかな。角名の隣空いとるからそこでええか。治飯食い終わったんなら角名の隣に席用意したり」
「なんっで俺やねん!まあええけどな!?」
またまた笑いが起きる教室で俺1人だけが置いてかれている。だってこんなの感情追いつかないでしょ。
「いま宮が用意してくれた席がさんの席やからな。」
『はい』
こちらへ歩いてきた彼女が治の席まで行って
『宮くん席用意してくれてありがとう』
「全然ええよ〜」
それだけ会話をして俺の隣へ座った。
『角名くん久しぶりだね』
「やっぱりちゃんだよね。めちゃくちゃびびったんだけど…」
『うん、すごい顔してたもんね』
「はは、まぁあとでゆっくり話そ…」
いや全然頭の中整理できてない。
なになにどうしたらいいの。
ていうか名前で呼んでくれてたのに苗字呼びになってるの何気にショックなんですけど。
あとでゆっくりなんて言って昼飯の時間はもう既に女子達と仲良さそうに食べてるし休み時間も女子に囲まれてて話しかけられなかった。
放課後…は部活だしな。
『角名くん』
「うぇっはい…っ」
へ、変な声出た…最悪。
『バレー部ってどこでやってるのかな?』
荷物をまとめて肩に掛けた彼女が俺を見あげて聞く。くっそかわいい。むり。
「あ、俺バレー部だし…一緒に行く?」
『うん、助かるっ』
はい、かわいい。