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【FF10】緋色のそばに

第8章 ジョゼ寺院



「っっ…!」

まさかの状況に私は笑いを抑えることが出来ず、口に手を当ててなんとか笑いを収めようとした。 

周りのみんなも驚いたようでアーロンとバルテロを交互に見ている。


アーロンは軽く鼻を鳴らして手を差し出し、バルテロと熱い握手を交わしていた。 
そのときのバルテロの顔の嬉しそうなこと。



「ありがとうございますっ! か、感激ですっ!!」


そんなバルテロとまったく逆の表情をしているしかめっ面のアーロンに気が付かないのか、アーロンの手を両手で握って心底嬉しそうなバルテロに大声で笑い出したいのを抑える。


ちなみに感極まっている彼の後ろではドナが呆気に取られた表情で握手を交わしている2人を見ていた。

そんな彼女にワッカとルールーが呆れた声で言い立てる。



「大召喚士ブラスカ様を守ったガードをつかまえて、『オジサン』とはな」


「もの知らずにもほどがあるわね」


「うわ~……」



二人の追い討ちと、アーロンに対するバルテロの行動にティーダのあげた声で、ドナの顔を真っ赤になった。


「バルテロ、もういいでしょ!戻ってきなさい!」


「苦労してんな~」


ティーダの一言に確かに、と心の中で呟く。
その様子を見てアーロンがぼそりと私だけに聞こえるように呟いた。



「…笑いすぎだ」


「ふふふ…あんな顔のアーロン初めて見たわ。
伝説のガード様は大変ね?」

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