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【FF10】緋色のそばに

第6章 キノコ岩街道


その言葉にシーモアを振り返り見たワッカを無視して、ユウナに近付いてきた。

そしてその視線は行方知れずだったアーロンへと向かう。



「やはりアーロン殿でしたか。お会いできて光栄です。ぜひお話を聞かせてください。この10年のことなど……」


「俺はユウナのガードだ。そんな時間はない」



アーロンはシーモア老師の誘いをバッサリ断る。



「それはそれは……。アーロン殿がガードとは心強いですね」



アーロンの態度にさほど気分を害した様子もなくユウナに向き直って声を掛けた。

ユウナはシーモア老師の言葉に体を強張らせながら答える。



「は、はい!」


「どうかそんなに緊張なさらずに」



緊張をほぐすかのように優しく微笑んだ彼に、サーシャはうっすら寒気が走った。

本当の胸の内では微笑んではいないということを私は知っているからだ。



「あの……シーモアサマは……何故にここにいらっしゃられマスのでしょうか?」



ワッカの無茶苦茶な敬語に深々とため息を吐くルールーが視界の中に入る。

本当にあの子はいつまでたっても敬語が苦手なのね。

ルールーもきっと同じ気持ちなのだろうとサーシャは小さく笑みをこぼした。



「普段の言葉でどうぞ」


「ええと、エボンの教えに反する作戦、止めないとマズくないっすか?」



シーモアに促されて、すぐに普段どおりの砕けた物言いで聞き直すワッカ。

その言葉に彼は貼り付けた笑みのまま頷いた。

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