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【FF10】緋色のそばに

第5章 ミヘン街道


「いやーーー!」



言葉を続けようとするティーダの声を遮るように女性が叫び声を上げながら中に入ってくる。



「だ、だれか助けて!チョ、チョコボが!」


驚きすぎてか、上手く口が回っていないようだった。
とりあえず目の前の女性を落ち着かせようと背中を撫でていると、突然アーロンが入ってくる。



「おい、出番だ。魔物を倒すんだろう」


「お、おう!!」


「行きましょう!」




女性をリンさんに預けて外に出ると、チョコボ乗り場には逃げ惑っているチョコボの群れ。
そして長い腕でチョコボを鷲掴みしている魔物が暴れていた。



「思っていたよりもでかいわね~」


「とりあえずやるしかないっすよ!」



勢いだけはいいな少年よ。
なんて思いながらとりあえず一発かましますか!



「ファイガ!」




魔法が見事に的中するとその一発で魔物の怒りを買ったのか、こちらに長い腕を伸ばしながら突進してきた。




「気を付けろ!後ろは崖だぞ!」




アーロンの注意で後ろを振り向くと、落ちるまであと一歩という所だった。
前を向けば、チョコボイーターが余裕の笑みを浮かべているよう見える。



「どうしよう…」



不安そうに私を見てくるユウナ。
無理もない。召喚士は近距離戦には向いていないのだから。ユウナにとっては一番苦手な状況だ。




「じゃ逆側に追い詰めて落としちゃいましょ♪」



そう呟き、同時に腰に下ろしているレイピアを握る。
そしてチョコボイーターの足をすくい強制的に転ばせた。




「さあみんな、今のうちに総攻撃よ!」



私の指示を聞きティーダを筆頭にして、チョコボイーターに攻撃するとそのまま反対側の崖に落ちて行った。
そして大量の幻光虫となって消えていく。


無事に魔物退治を終え、アーロンが私に近づき一言呟く。




「…確かに絶好調だな」



「これぐらいいつでもできるわよ!」



それに「ふん」と鼻で笑い、ティーダ達の方へ行ってしまった。


…人の剣捌きをみて確認するのはやめてほしいのだけれど。
逆に見て分かるアーロンがすごいのもあるのだが。

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