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【FF10】緋色のそばに

第5章 ミヘン街道



次の日の朝


サーシャが起きるころにはアーロンの姿はすでになく、ベッドのそばには彼が座っていただろう椅子がそのまま置いてあった。

窓から外を見ると清々しい青空が広がっていてとてもきれいで、今日もいい天気で旅日和の1日になる予感がした。


朝の身支度をして部屋を出ると入口には彼がいて、サーシャは驚き、一歩後ろに下がってしまう。
彼の顔を見た感じ寝ていないようではなかったので少し安心した。



「疲れはとれたか?」


「おかげさまでね。体は絶好調」


「…ならいい」



一言だけ言うとアーロンはそのまま外に出て行ってしまった。

その行動に、相変わらず自分の目で確認しないと信じないのだなと思い出し笑いをしてしまう。

そして昔から変わらない彼の優しさに淡い気持ちを抱いていると、後ろから寝起きのティーダがやってきた。


「サーシャじゃないっすか。」


「あらおはようティーダ」


「おはようっす。…てか思ったんすけど」


あくびをしながら、彼は爆弾発言をする。


「アーロンてサーシャのことになると過保護っすよね」


「へ!?」


「昨日食事のときサーシャを起こしに行こうとしたんすよ。

でもアーロンが『アイツは食事よりも体を休めることが優先だ』っていって止められて」


「そういえば私食事してないわね…」



彼の発言に戸惑いを隠しつつも、ご飯のときはちゃんんと起こしてよ!!って思ったり…

食欲よりも睡眠欲が勝ってしまっていた自分を思い出すと少し恥ずかしい気持ちになる。

その私の様子を見てティーダが何を思ったのかある言葉を言おうとする。




「もしかしてアーロンってサーシャのこと…」


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