第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「本当に真っ暗だねぇ」
俺達は今、一路ピカデリーサーカス駅を目指して地下鉄に揺られていた
着いた早々おやつに智くんを頂いてしまったが、お陰で家を出る頃には辺りはもうすっかり暗くなっていた
で、ピカデリーサーカスから四方に伸びる主要道路のイルミネーションが綺麗だと事前に亀から聞いていた俺は
地下鉄を利用して智くんを其処に連れて行ってあげる事にしたのだ
地下鉄って言っても、ロンドンの中心街に入るまでは地上を走っていて、車窓からは長閑な街並みが見えていた
智くんは初めて電車に乗った子供みたいに窓に張り付いて外を熱心に見ている
「そう言えばさ、イギリスって地下鉄の事“サブウェイ”って言わないんだね」
智くんは窓枠に手を掛けたまま、俺を見た
「ああ、そうだね、こっちでは“Underground”って呼ぶんだよ…
ほら、駅の入口に“U”って表示があったでしょ?」
「うん…何か今、“アンダーグラウンド”って、英語読みっぽくって、カッコ良かった///」
俺が英語を口にする度、羨望の眼差しを向ける智くん
もう、目なんかキラッキラさせちゃっている
「やっぱり、翔くんは凄いなぁ〜頭いいなぁ〜カッコいいなぁ〜///」
「そんなコト無いよ///」
もう、そんなコト言う君は、すんごく可愛いよ///
「…コレ、僕のだもぉ〜ん♡」
嬉しそうに俺の腕に絡みつく智くん
(あぁ〜……可愛過ぎて、死にそう(笑))