第11章 二度目の新婚旅行、の巻

どうして、君はそんなに優しいんだろう…



普通、初めての海外旅行に望むに当たって、連れがこんなにヘタレていたら嫌気がさしても不思議じゃないのに

それこそ、成田離婚の原因になりかねない程のヘタレ具合の俺を、“可愛い”だなんて…



(きっと、こんな時松本くんや教授だったら、もっとスマートに智くんをエスコートしてるんだろうなぁ…)



「……はぁ」



情けなくて溜め息を付いたら、不意に後ろから声を掛けられた



「Excuseme？」

「…はぃ？」



声に振り向くと、英国紳士風の中年男性

男性は手に持っていたチケットを俺に見せた



「This ticket or boarning meets in here？」



(此処で合ってるかって？)



俺は彼の持っているチケットを見た

どうやら俺達と同じ飛行機に乗るらしい



「Yes,it's here」

「Thank you…By the wey…」



此処で合ってると教えてあげると、その紳士はお礼を言いながら智くんを見た



「Is he your lover？」

「え？」



(智くんは恋人かって？)



「Yes he is」



俺の返事を聞いて、紳士は柔らかく微笑んだ



「…Please him and to chersh」

「……Yes…Thank you」



彼は帽子を取って、軽く俺と智くんに会釈をすると、奥の席に座った