第11章 二度目の新婚旅行、の巻
(何か、ドキドキしちゃうなぁ)
僕は空港の搭乗口前のベンチに翔くんと並んで腰かけながら
初めての海外旅行を前にして、ちょっと緊張していた
実を言えば、飛行機に乗るのも初めてだったりする(笑)
「はぁ〜、まだかなぁ?
ねぇ、翔く…翔くん?!(汗)」
何となく落ち着かないので、隣に座った翔くんに話しかけると
翔くんが物凄い形相で宙を睨んでた
「ど、どうしたの?(汗)」
「……苦手、なんだ」
「へ?」
苦手…って?
「何が?」
「……飛行機」
「……え?」
宙を睨む翔くんの鼻の穴がピクピクしている
「…俺、高いトコ、ダメじゃん?」
「うん」
「…飛行機って、高いトコ飛ぶじゃん?」
「うん」
「しかも、だよ、智くんっ!!」
翔くんはワナワナしながら僕を見ると、僕の手をがっちり握った
僕の手を掴んだ翔くんの手は、何だか手汗で濡れてるし、緊張の所為なのか冷たかった