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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第38章 血鬼術を解いてよ宇髄さん3※



「ーーー言ってみろ。上官命令」

波奈の顎を片手で掴んでほっぺたを持ち上げて、強制的に目を合わさせる。
桃色のほっぺと唇は、宇髄の手によりぷっくりと膨らむ。

「…う、うずひひゃんの、めいわくに、なるから…っ」

ぶわっと涙が溢れ出てきてほっぺを伝う。

「だからっ!ならねえって!嫁のことなら、」

「なるんですって…っ!」

「ならねえっつってんだろーが!」

「だって…っだって、うず、さんのこと…、
す、好きになっちゃって、それで…」

「………ーーーーは?…なんつった今」

「だからっ、…うずいさんのこと好、ーーー?!」

耳が人よりずば抜けて良い宇髄が、聞き逃すはずなどなかった。
波奈の思いがけないその胸の内で、心臓がドカンと爆発した。制御不能とはこのことだ。
身体は勝手に波奈の後頭部を引っ張り、気付けば唇を重ねていた。

「ーーんっ…?!は、…っ!」

息継ぎで一瞬唇を離して、波奈は短く息を吐くが、すぐにまた波奈の唇を塞ぐ。
少し開いた口へ舌をねじ入れて波奈の舌を絡めると、驚いた波奈は口を閉じて舌を引っ込めるが、舌を追いかけて絡みとる。
どちらの唾液かわからなくなるほど何度も口吸いを求め、波奈は真っ赤な顔で宇髄の胸に手をやるが力はない。
それで抵抗しているつもりなのか。
弱っちくて、かわいい。

「…っ、ふ、っう、…っ」

かくんと腰が抜け倒れそうになる波奈の腕を掴み支える。へなへなと座り込んでしまった波奈に、宇髄もしゃがんで目を合わせた。
薄茶色の目は涙が溢れている。

「…っな、なんで…っ」

「わりぃ。つい」

「ついって、…っ」

「つい嬉しくなって」

唇を手で隠して、未だに何が起こったのかパニックになっている波奈が可笑しくて、ふ、と笑ってしまう。
もう2回抱いたが、口吸いは初めてだった。

「俺もお前に惚れてるよ」

目を細めて笑いかける。
波奈は目を大きく見開いて、固まった。

「お前のことが一等好きになっちまった」

ぽんぽんと波奈の頭を撫でてやると、波奈はまたぼろぼろと大粒の涙を流して、うそだあ…と呟く。

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