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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第37章 血鬼術を解いてよ宇髄さん2※


蝶屋敷の中の、波奈の部屋へ向かう途中、波奈の声がしてそちらに向かって歩く。
波奈と誰かが話していて、聞き耳を立てるつもりはなかったが自然と耳に入ってきた。

ーーあそこの甘味屋が美味しいよ。そうなんですね!食べたいなあ。今度一緒に行こうか。はい!是非行きましょうーーー

話していたのは名前も知らない男の一般隊士で、蝶屋敷に治療しに来たらしい。
その男は宇髄の姿を見ると、げっ音柱…!と小さい声で(聞こえてないつもりらしい)言ったあと、そそくさと後にした。
ジト、と睨んでしまっていたらしい。

「音柱さま」

「…よう」

見やると波奈はボッと頬を染めた。
波奈は大きなカゴのなかに洗濯物を抱えて立っていた。
すーぐ紅くなる。りんごみたいなやつだな。

「…っえ、えっと、先日は、その…っ」

「…元気そうじゃねーか」

「うっ…はい、おかげさまで…」

「誰かさんが文の返事をくれなかったから心配したんだぞ」

そう意地悪く言うと、波奈はわたわたと慌てた。

実はこの間の事の後で、鎹鴉を使って波奈宛に文を送った。
身体は平気か、変わったことはないか、
そして時間があれば、音屋敷に招きたい、と。
返事はどういうことかなしのつぶてで、いよいよ心配になっていたところ胡蝶から文がきた次第である。



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