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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第36章 血鬼術を解いてよ宇髄さん1※


運ばれてきた牛鍋に、波奈ははふはふと美味しそうに頬張った。ついさっきまで思い悩んでいたかと思うと、今は牛鍋に、んー♡と頬を押さえながら食べている。忙しい奴だな。

鰻丼ぶりを既に食べ終わった俺はまた波奈を見やった。
幸せそうに頬張り、子りすのようにほっぺを膨らましてもぐもぐしている。
なんていうか、庇護欲が嵩張られるのだろうか。
もっとたくさん食べろと言いたくなる。

「おかわりもするか?」

「大丈夫です。このあとでざあともあるので」

「そ」

「音柱様も、食べるの早いですね。柱の方たちは皆さん早いんでしょうか」

「…柱の誰かと一緒に食ったのか?」

「えぇ、風柱様と、水柱様と。
あと炎柱様と恋柱様は食べる量も多くて驚きましたよ」

柱はやっぱり凄いですね、と微笑まれ褒められた。
それなのになぜか心がざわざわと騒がしい。
波奈と、他の男の柱と一緒に飯を食べているところを想像してしまったら、心の端が小さい針にチクリと突っつかれたようだ。
その感覚にあまり経験がない宇髄は、慌ててよくわからない感情を消し去った。

あんみつとカステラが運ばれてきて、波奈はまた顔が綻びそれを嬉しそうに口へ運んでいる。

視線に気づいたのか、「食べますか?」と勧めてきた。
「…おぅ」と言って、波奈の右手首を掴んで、そのままフォークを自分の口へ持って行ってカステラを頬張ると、波奈は顔を真っ赤にして自分で食べてくださいよ!と怒った。


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