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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第30章 初めて触れるヒト《宇髄天元》



ようやく電車はキメツ学園前の駅に着き、電車は止まった。
宇髄と波奈はどうにか電車を降りる。

すると、ホームで何やら騒がしい様子だった。

「…宇髄先生、あれ、煉獄先生じゃないですか?」

「ん…あぁ、みたいだなあ」


視線の先はキメツ学園の教師である煉獄が、なにやら誰かと揉めているようである。
黄金の髪に毛先が赤い彼が目立たないわけはなく、周囲はざわざわしている。

「煉獄、どうした?」

宇髄が問うと、煉獄はこちらに気づいた。

「あぁ、おはよう!女生徒が痴漢をされているところを捕まえた!今駅員を呼んでいる!」

「だから俺じゃねーって!」

男はそう反抗して暴れているが、
煉獄の手はがっしりと男の腕を掴んで離さない。
その煉獄の横には涙を溜めているキメツ学園の女生徒が立っていた。

「……あっ!」

「どうした波奈」


「あっ…いえ、…えと、」

波奈が男の顔を見やり、物言いたげだ。

「この人、そういえばわたしの後ろに立ってたかも……」

とポツリと言った。

ひゅ、と宇髄は息が詰まる。
その発言に、明らかに動揺を見せた男の胸ぐらを掴みかかる。

「ーーー?!宇髄!落ち着け!」

「せ、先生!」

煉獄が宇髄を制止する。波奈は宇髄の本気で怒り男に掴みかかる様子に、慌てて止めるように名前を呼んだ。
男は宇髄の凄まじい迫力に、びくりと怖気付く。


「おい、何してんだァ、落ち着けェー!」

「宇髄、もうすぐ駅員が来る…悪しき痴漢を早く明け渡そう…」

「……お前がこのクソ野郎を叩いても何の得にもならない…」

キメツ学園の不死川、悲鳴嶼、伊黒が集まってきて、宇髄を止めた。

「……ちっ、クソが!」

ドン、!と男の掴んた胸元を離した。
怒りをどうにか抑えているようだ。

「せ、先生、ごめんなさい…わたし、」

「お前のせいじゃねーつってんだろーが!」

宇髄のただならぬ雰囲気に、波奈はどうしていいかわからずおろおろとしてしまう。

いつも余裕で、大人で、そんな宇髄がこのようにブチキレるのは、初めて見るのだ。





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