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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第21章 禁欲の果てに※【宇髄天元】



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わたしの付き合っている宇髄先生は、割とクールだ。
高校のときは好きと一度言ったきりで、絶対にわたしに触れようとはしなかった。距離を保て、近づくな、と何回も言われた。
その度に悲しい気持ちになってはいたけど、先生と生徒だから仕方がないと自分に言い聞かせていた。

ようやく卒業できて、正式に付き合ったと言うのに、先生の忙しさは半端なかった。さらにわたしもバイトを始めたために、なかなか会えない日々、会えてもご飯を食べて解散、だった。

恋人になった宇髄先生は、わたしのことをものすごく大切にしてくれて、もっと恋愛に適当で雑なのかな?と思いきや、わたしの門限までにはきちんと返してくれて、電話も毎晩短い時間だけどかけてくれて、さらには好きを開示した先生は、毎回毎回わたしのことを愛おしい目で、可愛い可愛いと言う。大人で優しい先生。
わたしのことをまだ子どもだと思ってるだろうな、と思う。
だから先生は、わたしを家に呼ばないのだろうな。

わたしだってもう19歳だし、好き合う恋人がいずれは行き着く先、というのも知識としては知っているし、そうなりたいと思う。
もちろん宇髄先生と。

けどもうわたしから誘わないと、もう一生先生の傍にはいけないとも思ったから、先生のお家に行きたいと言おうと決心したのは誕生日の少し前のこと。
今日、先生はわたしのことを大人として扱ってくれてはいると感じたし、あんな高価なものを貰ったこともあって、勇気を出して先生のお家に行きたいと言った。


お家に行きたい、と言い出してから、先生は黙ってしまった。
黙ったまま、エンジンを付けて、車を発進させる。

もしかして、わたしのお家に強制送還されちゃう?と思いきや、わたしの家の道とは別の道を走っている。
移り行く見慣れない風景の道たちに、胸がドキドキとしてきた。
チラリと運転する先生を見るけど、スンとした表情は、何を考えているのかさっぱりだ。
善逸や炭治郎みたいに、匂いや音で感情がわかればいいのに、といつも思う。


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