第13章 本当の名は
そう言うと、今までなんの反応も示さなかった女が、、バッとこちらを振り返った。それと同時に、何も身につけていないことへの躊躇が一切感じ取れないその女に、エースは慌ててそのあたりにあるタオルを投げつける。
が、タオルがエースの手から離れる寸前に、エースへと飛びついてきたその女に阻まれた。
「本当に!?できるの!?」
必死に掴みかかってくるその形相にびっくりしながらも、エースはダイレクトに自分の胸元に感じるその感触に我慢できず、手に持つタオルをその女に巻きつけた。
「・・・お前な、女ならもう少し隠せ」
「!・・・すみません」
今更恥じらうその姿を見ながらも、エースは今度こそその青い瞳をしっかりと見ながら、さっきの質問に答える。
「・・・そんなもん、俺が全部、消してやる」
「!」
力強いエースの言葉に、くしゃりとその顔を歪ませた女。ありがとう、とか細い声で言う女の頭に手を乗せ、なぁ、とエースは1番聞きたかったことを口にする。
「ホントの名前、聞いてもいいか?」
「・・・・・__」
それに、少し悩みながらも、こくりと小さく頷いたその女は、ゆっくりとその口を開いた、瞬間。
ドッカーーーン!!!と島の反対側から砲撃音が聞こえてきた。