第11章 辿り着いた島
しばらく歩くと、小さな空き家が見えてきた。
村もない島に、空き家?誰か住んでいるのか?と一瞬考え身構えるが、初めに見聞色の覇気で島を探索したのだ、結果、俺たち2人以外誰もこの島にはいないとわかったのだ。
ガチャリ、と空き家らしきものの扉を開き、エースはその中へズカズカと入る。
「・・・・・・・・」
簡易キッチンと暖炉、テーブル、そして1つのベットが置いてある、1人で住むには不自由ない古屋であった。
「ここに、誰か住んでいたのか。で、今はもう脱出したのか、もしくはもう・・・死んじまったのか」
どちらかはわからないが、この古屋の存在はありがたい。エースだけならなんとでもなるが、今はエースだけではない。
未だ目覚めぬ存在がいるため、寝場所は必要不可欠であった。当分はここでも生きていけるであろうことに安心したエースは、ベットへと背負っていたモノを降ろそうとした時であった。
「・・・・・ん」
うめき声が聞こえてきたかと思うと、少し身じろぎするのがエースの背に伝わり、そのまま後ろを振り向く。