第28章 海賊の流儀
「「「「「!?」」」」」
エースよりもさらに後ろで見守るクルーたちも、まさか喝を飛ばされると思っていなかったのだろう、虚を突かれたかのように声を張り上げた女を見た。
世界最強の男、鬼より怖いと言われ、男であっても腰を抜かすその威圧に押されながらも、自身の足で立ち、自分の言葉をぶつけるユキに、吹き出す海賊たち。
「グララララララっ随分威勢のいい小娘じゃねぇか」
「ぶはっおっまえ、俺に尽くすって!!」
ケラケラと笑いテンガロンハットを押さえるエースに、間違ったことは言ってないっと少しむくれるユキ。そんなユキの頭をクシャリと撫でてやったエースは、白ひげに自慢するかのように笑いかけた。
「なっ!いい女だろっオヤジ!」
「グラララララッ嬉しそうな面ァしやがってェ!おい娘っ子!お前、名は?」
先ほどの威圧感のない問いかけに、少し安堵したユキは未だニヤつくエースに膨れながらも、名乗る。
「・・・ユキ、です」
「ユキ。いい名前だ。野郎どもォーー!!!エースの気に入った女だ、歓迎してやれェ!!!」
「「「「オオオオォォーーー!!!!!」」」」
突然の雄叫びに、びくりと肩を揺らしたユキは振り返る。後ろで見ていたクルーたちの数が、最初の比ではないことに驚くユキは、前から「よかったな!」と笑顔を向けてくるエースにぎこちないがにっこりと笑い返した。
「ニシシシ、まさかあのエースが女拾ってくるとはなぁ」
「・・・ま、成長してるってことだろぃ」
「ちょっと寂しいくせに」
「それはお前もだろぃ」
「な、男として恥ずかしいってよ、どうする?マルコ」
「・・・・・」
「ちゃんと後で謝っとかねぇと、嫌われちまうぞー?」
「・・・うるせぇよいっサッチ!!テメェもだろうがっ!!」