• テキストサイズ

Time to Time ーAS・Lー

第28章 海賊の流儀


「「「「「!?」」」」」

エースよりもさらに後ろで見守るクルーたちも、まさか喝を飛ばされると思っていなかったのだろう、虚を突かれたかのように声を張り上げた女を見た。
世界最強の男、鬼より怖いと言われ、男であっても腰を抜かすその威圧に押されながらも、自身の足で立ち、自分の言葉をぶつけるユキに、吹き出す海賊たち。

「グララララララっ随分威勢のいい小娘じゃねぇか」

「ぶはっおっまえ、俺に尽くすって!!」

ケラケラと笑いテンガロンハットを押さえるエースに、間違ったことは言ってないっと少しむくれるユキ。そんなユキの頭をクシャリと撫でてやったエースは、白ひげに自慢するかのように笑いかけた。

「なっ!いい女だろっオヤジ!」

「グラララララッ嬉しそうな面ァしやがってェ!おい娘っ子!お前、名は?」

先ほどの威圧感のない問いかけに、少し安堵したユキは未だニヤつくエースに膨れながらも、名乗る。

「・・・ユキ、です」

「ユキ。いい名前だ。野郎どもォーー!!!エースの気に入った女だ、歓迎してやれェ!!!」

「「「「オオオオォォーーー!!!!!」」」」

突然の雄叫びに、びくりと肩を揺らしたユキは振り返る。後ろで見ていたクルーたちの数が、最初の比ではないことに驚くユキは、前から「よかったな!」と笑顔を向けてくるエースにぎこちないがにっこりと笑い返した。


「ニシシシ、まさかあのエースが女拾ってくるとはなぁ」

「・・・ま、成長してるってことだろぃ」

「ちょっと寂しいくせに」

「それはお前もだろぃ」

「な、男として恥ずかしいってよ、どうする?マルコ」

「・・・・・」

「ちゃんと後で謝っとかねぇと、嫌われちまうぞー?」

「・・・うるせぇよいっサッチ!!テメェもだろうがっ!!」
/ 217ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp