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王様嫌いな彼女

第6章 本音


貴方side

「ゆいなちゃん、起きて」

「ん……とーる…」

「おはよ、はやく準備しないと遅れちゃうよ」

「……今日休みたい…」

「えっ!体調悪い?!」

「ん…行きたくない」

「…どうして?」

いじめられるから
その時間の教科書だけなくなって帰りには必ず全部戻ってくるこのループが嫌だ
無駄に怒られて無駄に目立つし
でもそんなこと言えない
だから嘘ついた

「なんとなく疲れちゃって」

「昨日激しくしすぎた?大丈夫?」

「ん、平気だけど…」

「平気なら休ませてあげたいけど癖ついちゃうから行こう?」

「……やだ…」

「んーわかった、今日は俺が送っていってあげる。どうせ朝練もあるでしょ、今日は俺休みだし送ってくよ」

「休む」

「だーめ」

「徹…お願い…」

「可愛いけどダメ、今日も迎えに行くからね?」

半ば無理やり学校へ連れて行かれた

「やっぱ帰る…無理だよ、、」

「何が無理なの?理由言わなきゃわからないよ」

言いたくないよこんなの誰にもバレたくない

「もー本当にどうしたの?今日はやけに頑固じゃん、そんなに帰りたいの?」

頷くと悩んだ顔をしてきた
そんな顔させたいわけじゃない
そんな顔見たくないの

「ごめんね…」

「別にいいけど困るのはゆいなちゃんなんだよ」

「わかってる…けど…」

「ならどうしてそんなに行きたくないの?俺に教えて」

「特に…理由はない…けど…」

「ないなら行きなよ」

「いや、」

こんな時でも優しい徹は頭を抱えるのがわかってるけど怖いの
あの頃みたいになるのも思い出すのも全部嫌なの

「あれ?ももちゃん?」

「菅原…先輩」

「及川もおはよ!どうしたんだよこんなところで朝練遅れるぞ」

「さわやかくんいいところに、ゆいなちゃんを部室まで連れていって」

「え?」

「徹やだ」

「じゃあ今日一日休んだら明日からちゃんと行くの?」

「それは…」

「なら行こうよ、帰りも迎えに来るから」

徹は私を抱きしめて頭を撫でる

「頑張れとまでは言わないけどここでやめたら全部無くなるよ。ゆいなちゃんの努力無駄になるよ」

休んだくらいでそんなこと…

「やれるところまでやってみようね」

「……うん」

徹の悲しそうな声には私は逆らえない
困らせてごめんね
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