第2章 嫌いなアイツ
家につけば誰もいない空間が作られる
「徹…家来る?」
「来てほしいの?」
「ん…迷惑なら来なくても良い」
「行くよ!行くに決まってる!!今日はいない日だっけ?」
コクコクッと頷くと私の頭を撫でてくれる
「じゃあ俺の家おいで、ご飯も一緒に食べよう!あ!岩ちゃんも呼ぶ?」
「うんっ!…でも岩ちゃんはまだ…呼ばないで、2人の時間もほしい…かも…」
「なにそれかわいい!!」
「徹、抱きしめて」
徹は優しく私を抱きしめてくれた
「何か不安なことある?なんでも言って」
「徹がねモテるのも浮気するはずないのわかってるけどね、でも…でも…」
「うん、ゆっくりで良いから言ってみて」
「ファンの子とかに優しくしてるのみたりすると私のこと嫌いになっちゃうんじゃないのかなって…」
「そっか、そんな風に思ってたんだね。ごめんね、不安にさせたね」
徹は私を抱きしめながら頭を撫でてくれた
「1人にしないよ、ゆいなちゃんから離れるつもりないから!俺はゆいなちゃんのこと本気で好きなの、ほらこっち向いて」
チュッ…
「こうやってキスするのもハグするのもゆいなちゃんだけだよ、ここじゃゆっくり話せないし部屋に行こうか」
いつもこういう時は私たちだけの空間を作ってくれた
「今日さゆいなちゃんが俺のために泣いてくれたの嬉しかったよ。いつも辛い時とか苦しい時にしか泣かないゆいなちゃんが嬉しくて泣いてくれたことがすっごい嬉しかった!」
徹は私の目を見て
「もしもゆいなちゃんが飛雄のこと嫌いな理由が俺が嫌いだからって理由なら嫌いにならなくても良いんだよ」
突然影山のことを言われてびっくりして声が出なかった
「ゆいなちゃんが本当は好きでも嫌いでもないのに俺が嫌いだからって理由で飛雄を敵視してるならやめてほしい。ゆいなちゃんの人生なんだからさ俺に左右されちゃダメ、これはわかってほしい」
「私は私の意思で影山が嫌いだから、大丈夫だよ?」
「嫌いな理由聞いても良い?」
「やだ、徹には内緒だもん」
「えー隠し事されると寂しいなぁ」
徹は私を膝の上に座らせて腰に腕を巻きつける
「遠慮とかいらないから、絶対に俺に報告して。なんでも良い、今日あったこと全部教えて」
その暖かさが私には心地いい